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ジャカルタの雨事情  by  A.K.I

2016/03/02 10:00

ジャカルタの雨事情
by A.K.I



 年中暑いジャカルタで季節を語るとすれば、乾季と雨季の2つ。時期の目安としては乾季が4~9月、雨季が10~3月と言われていますが、世界的な気候変動に伴い少々幅にずれが出てきているようで、今季の雨季入りが発表されたのは11月に入ってからでした。私がジャカルタ市内で目撃し記憶している限りでは、昨年7~10月の4か月間で雨が降ったのはたったの3日。それもざーっと激しい雨が30分ほど降るだけのスコールのみ。乾季とは本当にこれほどまでに雨が降らないのかと、日々さまざまな気候と風情が楽しめる日本から来た当初はかなりの衝撃と共に雨が恋しい日々が続きました。
 雨季に入ったと言っても、年明けまでは数日に1度スコール程度の雨が降るだけ。ただし短時間であっても雨が降る日が増えてくると、言葉通り”恵みの雨”。茶色い地肌むき出しだった空き地にも雑草がみるみるうちに伸び始め、街路樹が葉を更に青々と茂らせ、上空から見ても大地が明らかに乾季とは異なる生命力みなぎる緑の大地に変化しました。
 そんな恵みの雨ですが、2月に入り本格的な雨が降る日が続く雨季のピークとに突入すると、雨季ならではの深刻な問題も引き起こしています。ジャカルタの街の様子を中心に、そんな雨季の情景をご紹介したいと思います。

1.盛んに行われる溝掃除



 雨季がが始まる数週間前までは盛んに乾燥による森林火災が報じられていましたが、それと並行してあちこちで雨季に備えて排水溝の清掃が始まったとのニュースを見聞きするようになりました。確かに歩道脇で溝からゴミや泥をすくいあげては袋詰めしている人々の姿を目にする頻度が高まり、どれだけの人員を投入しているのだろうかと思うくらいの一大事業。
 雨季に入ってもその作業は終わることなく、雨が降る度にまた流れ込むそれら排水の妨害物をまた毎日のように除去している姿が方々で見られます。ゴミのポイ捨てをやめる。そのようなところから改善していかないことにはいっこうに埒が明かない感じも見受けられますが、今日も道路脇では地道な手作業が続いています。

2.店頭に並ぶカラフルなカッパ



 雨季に入り道路脇にいろとりどりのカッパが吊り下げられている光景を良く目にします。乾季のちょっとしたスコールは、ずぶ濡れになってもすぐに乾くとばかりに雨具を使用する人をほぼ見かけなかったのですが、さすがに連日の激しい雨にはバイク乗車率も高い人々にとってはカッパが最適な雨具のようです。中には器用にビニール袋を頭や衣服の上にかぶってる人も時には見かけますが。
 車移動することが多い生活スタイルの場合には傘は不要と言う人も中にはいますが、やはりこの時期せめて折り畳み傘くらいはあった方が安心です。ザーっと勢いの良い大雨に遭遇してしまった時には傘をどう差してもお手上げでずぶ濡れですが、風を切って走るバイクならともかく熱帯の気候下、歩行時のカッパ着用は結構暑いです。

3.降りはじめたら無理せず雨宿り



 雨は突然やってきます。晴れていたかと思いきやにわかに雲が広がりだし、みるみるうちに激しい雨。雨季ピークのこの時期の雨は降り始めるとかなり激しく、あっという間に目の前に轟々と流れ落ちる滝が広がったかのように一面真っ白になります。けれども、日本の梅雨のように1日中ずーっと降り続くということはないので、激しい雨に遭遇した場合には傘を持っていたとしても歯が立たないということもあり、やや降り方が弱まるまで建物内でしばし雨宿りをするのが賢明です。

4.道路がまるで川のように





 一挙にものすごい降雨量となるこの時期の雨では、日常的に車通りの多い主要道路ですらバイクのタイヤが水没してしまうくらいに冠水することがたびたびあります。このような道路の冠水も含めこちらの人々は雨季にはバンジール(洪水)に注意と口々に言います。
 懸命の溝掃除も追い付かず排水溝があふれているというケースでは雨が止めば徐々に水は退いていきますが、ジャカルタでも市内を流れるチリウン川の水位上昇による周辺家屋の浸水など深刻な被害も発生しています。インドネシア全土的にも本格的な雨季を迎え浸水被害の拡大が方々で報告されており要注意です。

5.怖いもの知らずなビーチサンダル



 そもそも暑いこともあってか、日々のお祈り前の手足のお清めにも適しているのか、日常的にビーチサンダルを履いている人々が多く見られるジャカルタ。バイクに乗る人もサンダル履きで、脱げたりして危なくないのかと見ていてハラハラしてしまうのですが、雨季に入るとそれもやや納得。いくらカッパをかぶっても大雨では足元はびしょ濡れ。雨上がりに道路を歩こうとするとこれまた水溜りだらけ。となると濡れても平気なサンダル履きが最も手間いらずなのです。
 ただし、テロ事件発生以降在インドネシア日本国大使館のホームページに掲載されている”銃乱射事件及び爆弾テロ事件に対する一般的心構え”では、サンダル履きは速やかに避難できる服装ではなく高リスクとして挙げられてもいるので、我々外国人は特に、履物に関しては生活の利便性より安全性を優先した方がよいでしょう。

6.いつも以上に渋滞を覚悟



 雨が降ると渋滞がさらにひどくなること必須です。複数車線の道路が水たまり回避で1車線になってしまったり、そろりそろりと進んだり立ち往生するバイクの群れで道が塞がってしまったり。大雨による倒木で道が通れなくなるようなことも。
 高速道路ではそれでなくても視界が極端に悪くなるほどの雨の中、タイヤが巻き上げる水しぶきでさらに周囲が真っ白になってしまうのでもちろん減速。異動時間は大幅ロスしてしまいますが安全には代えられません。実際に雨の日は車両の追突・転倒事故もいつも以上に目にします。あまりにもひどい大雨の時にはサービスエリアで待機するなど無理は禁物です。

7.蚊の発生・デング熱の危険性



 水溜りが増える雨季には、それら少量の水でも生息できる蚊の幼虫であるボウフラの発生率が上昇し、ネッタイシマ蚊などのヤブ蚊が媒介するデング熱が非常事態宣言が発令されるほどの猛威を振るい始めているとのことで要注意です。
 街中を車で通っていて道路脇一面に立ち込める煙に遭遇し何の煙かと思いきや、蚊の駆除をするために茂みや排水溝への薬剤散布が行われているとのこと。世界的にはブラジルを中心として同じく蚊が媒介するジカ熱の流行も騒がれていますが、双方共に蚊にさされないことが唯一の防御法。長袖の着用、虫よけスプレーの塗布など自身でできる対策は日頃から心がけておきましょう。

9.気になる洗濯物の乾燥具合



 日本のじめじめした梅雨時期には、洗濯物がなかなか乾かないという悩みが発生しますが、こちらの雨季は、雨と晴れのメリハリが激しいこともあってかそこまで乾かない感じはしません。湿気が気になる場合には、たいていのアパートには設置されている乾燥機を使用したり、メイドを雇っている場合にはアイロンがけを頼むというケースもあるようですが、個人的感覚としてはエアコンを入れた部屋での室内干しで特に問題はないように思います。

8.ランブータンのシーズン



 そんな難点もたくさんの雨季ですが、この時期街中に良く見られるようになるのが路上で売られる赤く房状に連なった果物、ランブータン。旬の食材というものに乏しく、年中変わらず熱帯の農作物が手に入る印象の南国ですが、雨季においしいと言われるものを探してちょっとした旬を味わいたいものです。この時期のランブータは、みずみずしくじわっと広がる甘さがデザートにぴったりです。
 ランブータンにはいくつか品種があるのをご存知でしょうか?良く見かける従来種の赤く突起の長いイガイガの外見のもの(写真:↑)と比べると、突起は短く色味は緑がかっていて一見未熟果のように見えるRambutan Ropiah と呼ばれる品種(写真:↓)。従来種よりやや締まりのある果肉の食感はまた違った味わいがあります。見かける頻度もやや低めですが、この時期の楽しみの一つとして探してみるのもお勧めです。



10.稲妻鑑賞には事欠かない



 激しい雨には必ずと言ってよいくらい雷が伴います。窓ガラスがビリビリ共鳴するくらいの爆音とまぶしい光。落雷による被害のニュースとしては空港の通信機器装置に障害が生じ空港が一時閉鎖にといったものを見かけたりもしますが、雨の降る空を見上げると頻繁に稲妻を目にします。部屋の中にいる分には、ダイナミックな天然ショーとして稲妻鑑賞するのもなかなか爽快です。

<まとめ>
 ジャカルタの雨事情、いかがでしたか。日本の梅雨や台風の雨ともまた違った激しさと被害があり、特に交通事情は悪化しますが、旬のランブータンや稲妻ショー、暑さがやや和らぐ、大気中のチリが雨と共に落とされ大気汚染がやや緩和されるなどメリットにも目を向け、雨季ならではの過ごし方を見つけたいものです。
 
 

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