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インドネシアお酒事情・タバコ事情  by  A.K.I

2017/01/04 15:40

インドネシアお酒事情・タバコ事情
by A.K.I



 日常生活において、お酒やタバコは欠かせないものですか?ーYes! と答えた方は必見です。国が違えばその扱いにも大きな違いがみられます。ましてや、アルコール飲料を飲むことを良しとしないイスラム教徒が多い国であるインドネシアでのお酒事情は、大いに気になるところではないでしょうか。アルコール飲料が苦手な人には、ノンアルコール・カクテルが豊富だったりする実情も、是非ご一読ください。


1.アルコール飲料規制法・禁止法の存在



 インドネシアでは、2015年にコンビニなど売場面積400平方メートル未満のミニマーケットでのアルコール飲料の販売を禁じる省令が制定されましたが、その他規制のある地域としてよく知られる、全域でアルコール飲料販売が禁止されているアチェ州や、昨年2016年3月にはパプア州でも酒類の流通・生産の全面禁止、5月にスラバヤ市で酒類の製造・販売・消費を禁止する条例が可決されるなど、市・県・州単位で禁酒が定められているエリアも存在します。
 酒類規制法についての議論はさまざまになされているようで、飲酒によって引き起こされる健康被害や事件・犯罪を減らす目的と聞くと一理ありと思いもしますが、イスラム教の教義が軸になっているとして、イスラム教国家ではなく多宗教国家である事実に反するとの声も聞こえてきます。また、禁酒による税収の減少や、飲酒習慣を持つ外国人をターゲットとする観光業等産業がダメージを受けるとして経済への影響を懸念する見方もあります。
 このようにアルコール飲料に関する規制の話題に事欠かない国ですので、出張やご旅行でインドネシア各地へ足を運ばれる際には、そのエリアの規則に反することのないようお気を付けください。


2.危険な密造酒

 禁止されるとより飲みたくなってしまう人々もいるようで、昨今話題に上り社会問題になっているのが密造酒とその飲酒による死亡事件。酒税の課税対象となるアルコール飲料の無許可製造自体がそもそも違法行為にあたりますが、原料として、飲料用に精製されたものではない、薬局等で入手できる人体に有害な不純物を含んだアルコールが用いられた結果、飲酒者がめまいや吐き気などの不調を訴え、挙句の果てに多数の死者が出たという事件が相次いで報道されています。記憶に新しい件としては昨年2016年2月にジョグジャカルタで26人、先日11月末に東ジャカルタで10人の死亡と密造酒の製造・密売者の身柄拘束といったニュースがありました。身元不明な酒類には重々お気をつけください。


3.ジャカルタでのアルコール飲料入手事情



 アルコール飲料に関する規制のあるインドネシアですが、誰もが知るBINTANGや、ANKER、BALI HAIといった国産のビールがあります。日本の苦みやコクのあるビールがお好みな方には少々物足りないテイストのようではありますが、ジャカルタではこれらは大型のスーパーでも容易に入手できますし、アルコール飲料を供するレストランでも一般的に目にする銘柄です。
 ワインは、大型の外資系スーパーなどで販売コーナーが設けられているのをよく見かけます。インドネシアから近いニュージーランドやオーストラリア、その他イタリア、フランス、チリなど各地のワインが揃えられています。
 そこで問題は、日本酒や焼酎といった日本のお酒。主として日本人という一外国人が好んで飲むお酒なので、一般的なスーパーではまず見かけません。日本食材スーパー・パパイヤでも買えるのは日系メーカーのビールまで。日本のお酒を入手したい場合には!
・Sake+(サケプラス)
  Jalan Senopati Raya No.54, Kebayoran Baru, Jakarta Selatan
・MOS CAFE BLOK M
  Jalan Melawai Raya No.28, Kebayoran Baru, Jakarta Selatan
といった店舗で入手可能です。ただし!値札を二度見して確認してしまうくらい、日本での販売価格の約3~4倍のお値段です。なので大概の駐在日本人は、一時帰国時もしくは出張者に依頼するなどして、日本から好みの日本酒や焼酎を自力で調達しています(アルコール飲料の持ち込み制限もあるので要注意。空港での検査時、現状基本的には1人1本は問題無いようです)。日本食レストランではもちろん日本のお酒が飲めるところが大半ですが、言うまでもなく驚きのお値段です。けれど、居酒屋含めレストランでは持ち込み料(¥1,000程度)を支払えばお酒の持ち込みが可能なので、外食時にも日本から調達したお酒が大活躍です。


4.ノンアルコール・カクテル ”モクテル”



 日本でも、アルコール飲料が苦手な人でも楽しめる種々ノンアルコール・カクテルが見られますが、ジャカルタのレストランのドリンクメニューに必ずと言ってよいほど見かけるのが ”MOCKTAIL" 。アルコール飲料を飲まないムスリム用カクテルと言われていますが、言語的にはmock (見せかけの) + cocktail (カクテル)で、アルコールを使わないカクテル。言ってしまえばジュースではありますが、見た目も色鮮やかでトロピカルフルーツや南国の花が添えられていたりして、おしゃれなカクテル気分を味わえます。
 ノンアルコールで楽しみたい方は、メニューでMOCKTAILを是非チェックしてみてください。


5.タバコ事情



 ジャカルタの空港を一歩外に出たとたん感じられる独特の甘くスパイシーな香り。この香りの主はクレテック・タバコと呼ばれる、クローブ(丁子)で香りづけされたこの国特有のタバコの香り。2016年WHOが発表した男女別喫煙率の国別統計で、インドネシア男性の喫煙率が76.2%で世界1位とのデータも示す通り喫煙者は多く、路上の売り子による販売や屋台ではタバコはばら売りで1本から買えるとのことなので、気軽に手に取りやすい環境でもあるのでしょう、街の至る所でこのタバコの香りが漂ってきます。
 世界的に禁煙の風潮がある中で、ジャカルタのような都市部では禁煙エリアや、禁煙もしくは分煙を取り入れているレストランなども今や日常的です。
 喫煙者のみなさま、念のため禁煙エリアの表示例をご紹介しておきます。
・Dilarang merokok:Dilarang 禁止 / merokok 喫煙する
・Bebas asap rokok:Bebas フリー / asap 煙 / rokok タバコ
*カー・フリー・デー=車が無い日 (歩行者天国) などと同じで、タバコの煙がフリーな(無い)場所といった意味合いで、これも禁煙エリアの表示です。


6.タバコ税引き上げ



 インドネシアでも近年タバコによる健康被害が問題視されており、特に日常的にもよく見かける中高生くらいと思われる少年達の喫煙風景に驚きもしますが、若年層からの喫煙による健康被害事例が深刻なようです。そこで喫煙率を抑える対策として年々税率が引き上げられていて、今年2017年1月からもタバコ税が平均10.5%引き上げられる予定で、この値上げ幅は喫煙者にとってはかなりの痛手であるため、これを機に喫煙による健康被害が削減されればよいですが、実情はアルコール飲料と同様に税収への影響や、国の一大産業でもあるタバコ産業に従事する労働者の失業問題などにもつながるため、なかなかに複雑な問題となっているようです。
 タバコ産業自体も、タバコの葉に含まれるニコチンや散布する農薬の人体への影響に関する知識をもたないまま、農村の子供たちがマスクや手袋も与えられずに労働力として畑仕事に加わっており、頭痛・嘔吐・皮膚炎等の症状に悩まされているという深刻な状況があることも併せて記しておきたいと思います。


<まとめ>
 タバコに関する環境は、世界の流れに沿う形で推移しているように感じられますが、特にアルコール飲料にまつわる環境は日本と大きく異なることを感じていただけたでしょうか。状況を付け加えておくとすると、イスラム教徒のラマダーン(断食月) には特に、通常アルコール飲料を供しているレストランでも販売を自粛したり、周囲からお酒とわからないように缶や瓶からマグカップなどに中身を空けて厨房から運ばれてきたりといったこともあります。また、飲酒習慣のある外国人にとっての驚きは、結婚式などお祝いの席での乾杯もジュースやお茶だったりすることでしょうか。
 旅行や出張であれば、一瞬の我慢というところではありますが、駐在者にとってはなかなかに大きな問題の一つのように思われ、何かしらのご参考になれば幸いです。

 

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