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ジャカルタ・トピックス_Desember2017   by  A.K.I

2017/12/04 16:00

ジャカルタ・トピックス_Desember2017
by A.K.I


 
  早いもので、あっという間に今年ももう12月。ジャカルタには冬が無いのと、西暦での新年にはそれほど重きが置かれていないというところから、年末感・師走感はほぼ感じられません。クリスマスのディスプレーが見られるようになってきたこと以外、周囲の空気は全くいつもと変わりない日常のインドネシアですが、2ヵ月毎にホットな情報をお届けしている”ジャカルタ・トピックス”。最近タイムリーに盛り上がっている出来事や、身の回りで実際に感じられた変化や気づきを今月もピックアップ。ちょっぴりジャカルタの”今”を感じてみてください。


1.TOL(高速道路)現金払い不可



 2017年10月31日、インドネシア全国の高速道路料金所で電子決済が義務化されました。導入は段階的に進められてきて、各料金所ごとに開始日はまちまち。上記写真のように”10月24日から現金払い不可”といった開始日の記載がある所も目に留まるようになり、当初はいったいいつから開始なのかと戸惑いましたが、電子マネーカード(e-money)読み取り機の設置がようやく全料金所で完了した模様。まずは、急いで電子マネーカードを入手しなければと少々焦りました。現状はBNI, BTN, Mandiri, BRI, BCAの5行が取り扱っているカードが使用可能。ミニマートでもチャージ可能なカードもあれば、銀行口座から入金する必要があるものもあるようなので、各自の状況でチャージしやすいものを選ぶのがよさそうです。



 渋滞緩和策の一つとして導入されたわけですが、まだ周知が行き届いていないようで、電子マネーカード未所持、またはカードの残金不足などで支払いに手間取りより一層停滞してしまうケースも聞かれ、思惑通りにスムーズに流れ出すにはまだ少々時間を要しそうです。ゲートが複数設置されている大きな料金所では、当面は現金支払いが可能なレーンを残しているところもある模様です。このように、切り替えが一斉ではなくできたところから変わっていったり、場所によって対応が異なったりするところが、これまたインドネシアらしいところです。

 個人的な感覚では、カードに代わったことで若干料金所通過のスピードアップがはかられたようには感じますが、それ以上に、これまでスムーズに通過できるようにと、常に支払い用の小額紙幣を用意していたその手間が省けた事に恩恵を感じます。高速道路運営側にしても、これまで料金所用に必要だった日々80億ルピアの準備が不要になったという報道もあったので、違った側面でも効率化につながっているようです。


2.インフラ整備真っただ中


 
 ジャカルタでやはりここのところ頻繁に目に留まるニュースは、いずれも交通渋滞緩和を掲げ方々で進められている交通網の整備です。10月3日には、国鉄KRL Commuter Line が南ジャカルタのマンガライ駅からブカシ県のチカラン駅までつながり、ジャカルタ市内からの新しい通勤の足として話題に。2019年3月開通を予定している大量高速鉄道(MRT)の工事は、メイン通りの駅が設置される個所には駅名の書かれた表示が掲げられていたりもして、開通が待ち遠しく感じられます。専用レーンを走る市内路線バス(Transjakarta)も、レーンへの一般車両の進入禁止を強化したり、着々と専用高架路の整備や路線延長が聞かれます。
 9月17日に、スカルノハッタ空港”第2ターミナル”~”第3ターミナル”間でまず運行が始まった全自動無人運転車両システムSKYTRAINは、11月17日にはさらに、ジャカルタ市内と空港を結ぶ空港鉄道駅やバス停、タクシー乗り場などが設けられる”統合ビル”~”第1ターミナル”まで全てが開通。これまでターミナル間の移動に使われていた無料のシャトルバスや自家用車は、空港周辺の渋滞の一因ともなっていたため、渋滞解消の策として効果が見込まれ、もちろん空港利用者にとっても、ターミナル間の移動が不便さが改善されました。
 また、ジャカルタ~スラバヤ間で現在約11時間を要している鉄道の既存路線で、準高速化構想が進められていて、実現すれば所要時間を約5時間に短縮できる見込み。こちらは、踏切の改良や、カーブの多い路線の直線化などを2018年に着工し、4年間での完成を目指す方針とのこと。

 鉄道やバスだけでなく、11月4日に部分的に開通したBecakayu高速道路(Tol Bekasi-Cawang-Kampung Melayu)は、1996年スハルト政権下で建設計画が始まったものが頓挫していて、ジョコウィ政権下2015年に再開されたのだそうで、アジア通貨危機などあったものの、もしその時代に建設が進んでいたら、渋滞は今ほど酷くはならずに済んでいたのかなと考えたりもします。

 そして、ジャワ島のみならず、スマトラ島でも2019年全開通を目指す、北端Acheから南端Lampungまでを結ぶスマトラ縦断高速道路(Jalang Tol Trans Sumatera)も次々と開通箇所が報じられています。こちらのエリアはまだまだ渋滞問題など無く、高速道路がつながることで、物流システムが整い流通コスが下がるなど、地元の経済発展にもつながるということが強調されています。広い国土で地域格差がかなり大きいということは否めず、ジャカルタの渋滞緩和策は急がれますが、他エリアの環境改善への注力ももちろん重要です。反面、昔ながらの生活を脈々と続けている民族にとっては、近代化の波が必ずしも良いのかどうかというところは、多少考えさせられる部分もありますが。

 このように、日々何かしらのインフラが整備の情報が次々と舞い込んできて、どんどん便利になっていくのだなぁと実感しつつも、その工事のためにますます渋滞が酷くなっているジャカルタの現状は少々耐え難く。しかしながら、こんなに大きく街が進展していく巨大な波の真っただ中にいる現状が、将来のための通過地点なのだと考えると、夢のある、またと無いエネルギッシュな期間なのだと思えなくもありません。


3.バリ島Agung山噴火



 日本で思い浮かべるインドネシアといえば、やはりバリ島ということになるでしょうか。本当は、もっともっと違った魅力的な場所もたくさんありますよ、と声を大にして言いたいところですが、旅行会社が大きなリスクを負わずに案内できる場所となると、そして独特なバリ・ヒンドゥーの文化とも合わせ、やはりインドネシアの中で世界が注目するイチ押しの観光名所であることは間違いありません。
 そんな人気の島バリ島で、バリ・ヒンドゥーの聖地ともされる島東部にあるアグン山がついに先日噴火しました。9月中旬から火山活動が活発化し、9月22日噴火警戒レベルが最高のLevel4:Awas(避難準備)に引き上げられ、その後10月29日にLevel3:Siaga(警戒)に引き下げられ状況が見守られていたところ、11月21日夕方に54年ぶりの噴火。水蒸気噴火と言われるその噴火では、ニュースでもそこまで取り立てられていなかったように思うのですが、続く11月25日夕方再び噴火。翌26日早朝にはマグマ型噴火へと移行したとのことで、そこからが大変。まず打撃を受けるのが空の便です。風向きで噴煙の影響を受けたお隣ロンボク島の空港がまず一時閉鎖。バリ島でも航空便の遅延・欠航が相次ぎ、27日早朝には警戒レベルが再びLevel4:Awas(避難準備)に引き上げられ、バリ島の空港も閉鎖となりました。

 なんとも私、タイムリーに対岸のロンボク島に滞在中で、ちょうど26日の午後ジャカルタへ戻る予約便の時間に合わせ空港に向かおうとしたところで、全便欠航の情報が舞い込み唖然。実に、アグン山が見える対岸にいたのですが、朝の散歩時、山から煙が立ち昇っているようにも見えるけど、何しろ雨季で立ち込める雲のようにも思え(上に添付の写真です)、ホテルのスタッフに聞いてもまさに対岸の火事的なのどかさで、Tidak apa-apa(大丈夫だよ)と言われて午前中を過ごしたと思ったら。急遽エアー・チケットの変更や延泊の手配に大わらわ。
 入手した2日後の変更便も、その日になってまたキャンセル情報が入り、最初の噴火時よりもさらに問い合わせが殺到していると思われる航空会社には、電話がつながらないし、システムエラーでネット予約も取れないし、メールの返事も来ない!など、再びジャカルタに帰る手段を押さえることだけに半日ほど費やし、20時間かかるフェリーでのジャワ島上陸まで考えたくらい。
 ようやく、当初予定の3日後、噴火が一時的におさまった29日に無事ジャカルタに帰ってくることができました。30日の昼前から12月1日の朝まで再びロンボク島の空港は閉鎖となったので、合間に無事帰ってこられたことに安堵。27日の空港の閉鎖で約6万人もの乗客に影響が出たとのことでしたので、その後も続いた遅延・欠航で最終的にはどれほどの規模の混乱を引き起こしたのか。

 しかしながら、島から離れられる観光客はまだしも、この先の火山の状況と、地元で暮らしている方々への今後の影響が心配です。現在、ジャワ島東部のブロモ山、スマトラ島北部のシナブン山も噴火が見られていて、天災が起こりやすい地形と言う点では日本とも近い部分もあり、他人事とは思えない状況です。

 
4.移動時には注意!デモや大集会



 ジャカルタでは頻繁にデモが発生します。労働環境改善を訴えるものもあれば、法令に反対するもの、宗教色の強いデモもあり、暴徒化する恐れもあるということから、在インドネシア日本国大使館からのお知らせメールなどを参考に、もちろん、極力デモ発生エリアには近づかないのが得策です。ですが、メール入手以前に外出してしまっていたり、人々が集うエリアでどうしてもやむを得ない予定があるといったケースなどで、旗を持った人々がぞろぞろと練り歩く現場に遭遇してしまうと、かなりドキッとします。人々で道がふさがれていて、車はのろのろ大渋滞。万が一の事態が発生しても、こう四方八方人や車でふさがっていては逃げられないなと思ったりもします。



 12月2日、昨年約20万人もの人々がモナス周辺に集結した、アホック元ジャカルタ特別州知事がコーランを侮辱したとして開かれた、イスラム教徒の抗議大集会から1年。その日を記念して、今年も12月2日に再び大集会が開かれるという情報が舞い込みました。インドネシアではこういった活動はその日付を取って”aksi 212”(aksi(イ)=action(英)、数字は日・月の順)といった呼び方が使われますが、収まっていたかに見える本件がまた掘り返されるのかとやや懸念しつつも、ちょうどその集会当日、会場となるモナス近くに朝からどうしても外せない予定があり、恐る恐る出発。モナスに近づくにつれ、白いイスラムの正装をした人々が増えていきます。運転手には、遠回りでも良いからできるだけ避けるようにと伝えたのですが、これはデモではなく単に共に祈るために集まっているだけだから危険はないといった反応。





 確かに、通りを行く人々は笑顔で、はるばる遠方から来たのか路上で楽し気に皆で写真を撮り合っている姿もちらほら。そういう状況を見ても、やはり押し寄せる人々のパワーには圧倒されます。集う人々のために道路が閉鎖されていたり、横断する人待ちで先へなかなか進めなかったりもしつつも、無事目的地に辿り着いた時にはほっとしました。
 実際には、集結した約3万人の人々がイスラム擁護を掲げて共に祈り、午前中で解散したとのことでしたが、”多様性の中の統一”をうたっているこの国で、信者の団結や力を誇示するような方向は、やはりある種の危険性が潜んでいるように思えてなりません。

 今回は穏やかな雰囲気であったとのことですが、やはり、君子危うきに近寄らず。大勢で一致団結するというエネルギーはそれは強いものが感じられ、宗教を冠して集まっているからには、異教徒はこのような集会には近寄らない方が賢明であると感じました。
 2019年の大統領選に向けて、政治的なデモがまた増えつつある気配も感じられます。大変な事態に巻き込まれることの無いよう、自分の身は自分で守るしかないことをしっかりと念頭に置いた行動が必要だと、ややジャカルタの日常に慣れが出始めている自身の気持ちを引き締めた次第です。


<まとめ>
 インドネシアのタイムリーな情報が得づらい、渡航前に状況が知りたいと言ったご要望にお応えするべく、現地ジャカルタにて得られる生情報を2ヶ月に1回の頻度で発信してまいりました”ジャカルタ・トピックス”ですが、事情により今回が最終回となります。これまで発信してきました内容が、少しでもお役にたっていましたら幸いです。

 インドネシアの情報キャッチは、特に外国人にとっては確かに難しいです。インドネシア語で検索などすればそこそこの情報は得られますが、何しろ発表される情報においても不確定要素が多かったりもするので、どこか不安感が残ります。けれども、本当に必要となれば、知ろうという努力は自ずからするので、日本に居て次から次に、本来なら興味のない情報までもどんどん自然に入ってきてしまい、情報に忙殺される状況というのも逆に考え物だなと思ったりもするは、私の思考が現地化しすぎなのでしょうか?
 いずれにせよ、どこにいても、必要な情報を上手に得られるセンサーというのは磨いておかなければならないということを強く思います。

 来年2018年は、日本・インドネシア国交樹立60周年。少しでも多くの人々がインドネシアという国に興味を持って、知ろうとしてくれることを願います。

 

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