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ジャカルタ・トピックス_Juni2017   by  A.K.I

  • 6月5日(月)- 2017年

ジャカルタ・トピックス_Juni2017
by A.K.I



 既にご存知のように、先日5月24日の夜にまたもジャカルタ市内、Kampung Melayuバスターミナルで自爆テロが発生し、実行犯2人を含む5人が死亡11人が負傷。その夜はメディアも騒然とし、再び身近なテロの脅威に怯える事態となりました。昨年起きたジャカルタ中心部サリナデパート前での爆破テロと同様に、イスラム過激派掃討を展開する警察を標的とした報復テロと見られていますが、一般市民をも巻き込んでの犯行。ここ一年を振り返っても、ジャカルタ及びその近郊での爆破未遂や、テロ容疑者射殺といった穏やかでないニュースが、記憶の冷めやらない頻度で聞こえてくるという現実がここにあります。
 以下記載のRamadhan直前という時期的なことと、宗教的論議が過熱していることで、やや穏やかではない空気が感じられるジャカルタですが、そんな現地より、2ヵ月毎にホットな情報をお届けしている”ジャカルタ・トピックス”。最近タイムリーに盛り上がっている出来事や、身の回りで実際に感じられた変化や気づきを今月もピックアップ。ちょっぴりジャカルタの”今”を感じてみてください。


1.Ramadhan(ムスリムの断食月)始まる



 5月26日夜、翌27日からラマダーンに入るとの発表があり、27日よりムスリムの断食期間が始まりました。太陰暦であるヒジュラ暦に基づくイスラムの暦に従い、実際に新月を観測することで開始が決定されるRamadhan。正確な開始日はその当日にならなければ確定せず、断食をしない非ムスリムまでも今か今かとなんだかそわそわしてしまうのですが、この時期が近づくと、日々の断食明けによく食されるKurma(デーツの実)や、ラマダン明けに向けてのギフトセットが店頭に並び始め、なんだか町中がどこか落ち着かない空気に変わってきます。(昨年のレポート記事”現地レポート!ラマダーン(断食月)の風景”もご一読ください。)

 ムスリムにとって神聖なRamadhan。忍耐を養い精神的鍛練・浄化を目的として心穏やかに過ごす期間と言われているのですが、それにもかかわらず、Ramadhan時期には特に普段以上にテロへの警戒を呼び掛けられるのは、なんとも腑に落ちない感じがします。イスラム過激派の活動自体、大多数のムスリムはイスラム教徒らしからぬ行為と遺憾の念を表わしていますが、信仰心が最も高まると言われるこの時期、それら一部の集団が信仰心を履き違えていると解釈すればよいのでしょうか。イスラム教徒の大多数はそのようではないということは重ねて記しておきたいと思います。
 過激派の行動のみならず、この時期、帰省のための資金欲しさでの窃盗や、あってはならない警官による理不尽な査察や拘束と金銭要求といった報道が増えるということも事実。我々外国人も、身の回り品のみならず、パスポートや滞在許可証の携帯など、普段以上に気をつけなければならない時期とも言えます。


2.ジャカルタ特別州知事選と宗教裁判のその後



 ジャカルタで間違いなく市民の最大の関心事であった、3月の統一地方選挙で決戦投票に持ち越されたアホック氏(クリスチャン・華僑)VSアニス氏(ムスリム)のジャカルタ特別州知事選と、その選挙と並行して注目を集め少なからず選挙結果にも影響を与えたと言わざるを得ない、アホック氏がムスリムの聖典コーラン侮辱発言をしたとして宗教冒とく罪に問われた公判。2つのこの大きな事柄は先日共に幕が降ろされました。去る4月19日、知事選はアニス氏が得票率約6割で大勝。その後5月9日にアホック氏に下された判決は、宗教冒とく罪など刑法違反にあたるとの有罪判決で、禁錮2年の即時収監。

 投票率77%という数字が関心の高さを伺わせるこの選挙だけを見ると、多様な利害関係が渦巻き、宗教の問題だけではないであろう部分ももちろん見受けられますが、アホック氏に対する判決については、公判中盤では”侮辱にあたらず”との見解も打ち出されたものの、それに反発するムスリム1万人規模の大集会等が繰り返され、結果大衆の圧力に屈した判決であり公平性に欠くとの指摘や非難の声が後を絶ちません。

 州知事選に敗戦したものの、アホック氏の現州知事としての政策を称え、感謝や支持を記した花飾りボードが続々と州庁舎に届けられたという報道に続き、写真は警察本部周辺をぐるりと取り巻く花飾りボード。記された内容を見てみると「"BINEKA TUNGGAL IKA/多様性の中の統一"というスローガンに集約されるインドネシアの国是"Pancasila/建国5原則(唯一神への信仰・人道主義・一つのインドネシア・民主主義・社会的公正)"を守る警察を支持する」「NKRI(=Negara Kesatuan Republik Indonesa)/単一国家インドネシア からの汚職、過激派、SARA(suku/民族・agama/宗教・ras/人種・antargolongan/階層 がらみの問題)の撲滅を」といったメッセージ。送り主やどういった立場からのメッセージかにより真意は想像の域を出ないものの、大勢の人々が穏やかでない現状から国家の分裂などを危惧していることがうかがい知れ、置き場が足りず脇に積み上げられてしまう程のそのボードの数を見ると、現状の深刻さが感じられます。インドネシア人に尋ねても、花飾りボードは通常結婚式や開店祝いなどに贈られるもので、謝意や賛辞・支持の意を届けるこのような用途はこれまで聞いたことがないとのこと。州庁舎に始まり、各地で花飾りボードが贈られる現象がブームとなっているようです。
 上記”SARA”というワードは、私自身の目が向いたことも一因とは思いますが、ここのところ特によく見聞きします。今回のアホック氏をめぐる論争は、多様な民族・多様な宗教を認め合い一つの国とし発展していこうというインドネシアにおいて、単に氏個人の問題ではなく、"寛容性が後退しているように感じる""国を分断させようとする動きがあるようにも感じる"”マイノリティーの危機”といったこともささやかれ、国連始め国際社会からも判決への憂慮、不公平さが露呈したとの見方がなされ、この国の難しい一面が表面化したとも言えるでしょう。当面の動向がまだまだ気がかりです。


3.交通網整備・建設ラッシュ



 世界最悪の渋滞都市と言われ続けているジャカルタですが、ここ最近その酷さにまだなお拍車がかかり、移動に費やす時間が倍増しています。その一因は至る所で進められている高速道路や鉄道建設のプロジェクト。冒頭の写真のように道路の2/3が工事のために柵で囲われ、3車線あった道路が1車線に制限されているような場所も随所に見られます。
 湾岸のタンジュンプリオク港アクセス高速道路開通(着工から9年)や、スマンギの立体交差路完成間近など、明るいニュースも少しずつ聞かれますが、プロジェクト進行中の主な道路や鉄道が完成にこぎつけるのは2019年以降と見込まれ、先々の快適さのためには今は我慢の時とでもいう期間にあたりますが、現在のジャカルタ駐在者は、工事の余波による大渋滞のあおりを散々受けるだけで、完成後の道路や鉄道の恩恵を受けられる頃には残念ながら帰国という方も多いかもしれないタイミングで、なんとも歯がゆい気分がぬぐえないという方も多いのでは?

 渋滞緩和策の一つとして改善が加速化されたと見える首都圏専用バス”トランス・ジャカルタ”は車両の新調・車両数増加・路線の追加・延長等が着々と進められ、完成した専用高架路(写真)での試験運行も開始されました。専用路での正式運行に伴い一般道の渋滞が少しでも緩和されることを期待すると共に、整備されたトランス・ジャカルタなら今後もう少し安心して利用できるようになるかもしれないと少々思いもしていたところへ、トランス・ジャカルタのカンプン・ムラユ駅で今回テロが発生したというのは、駅ターミナルといった人が集まる場所もやはり標的になり得るという心配から、特に外国人である我々が利用を躊躇してしまうに十分な事件で、せっかく整備が順調な中、利用推進への影響はいかなるものかと気になります。
 
 その他、スカルノハッタ空港ターミナル間を結ぶ路線、南ジャカルタからスカルノハッタ空港を結ぶ空港鉄道、ジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道、更には西ジャワ空港建設とその周辺道路・鉄道の建設などジャワ島だけでも交通網の建設ラッシュ。土地収用の問題など、まだまだすんなりははかどらない要素も多々あるようですが、整備された日本では今や見聞きすることが少ない道路や空港の新規建設が次々に発表されていく状況。この前進していくエネルギーの波のようなものに、国が発展していくとはこういうことなのだなぁということを身をもって実感します。交通・輸送がスムーズになった未来のジャカルタを想像しつつ、この酷い渋滞も、そんな変化の真っただ中に立ち会っている貴重な経験と受け止めるとしましょう。


4.動植物の宝庫に求められる保護



 インドネシアは、広がる熱帯雨林のジャングルや、国土が生物の分布境界線であるウォーレス線を挟むため、東洋区・オーストラリア区双方の生物相を有し、更には各島で独自の進化をとげた生物など、他では見られない珍しい動植物が多数見られ、動植物の宝庫と言われています。それだけに、ニュースを見ても稀少動植物に関する話題が豊富。世界でも珍しいコモドオオトカゲの住む島やオランウータンの住む森、世界最小のメガネザル・タルシウスが住む森などは、多くの人々が訪れる観光地にもなっています。先日は、そのタルシウスに新種が発見されたとのニュースもあり、まだまだ知られていない生物もいるとなると、さらに興味惹かれます。

 またなんと言っても、話にあがる動物のサイズが南国ならでは。先月話題になったマルク州の海岸に打ち上げられた謎の巨大生物の死骸。全長23.2m、全幅6.5m、体重35tのこの生物は海中でそこそこの時間が経過したとみえ損傷が激しく、巨大イカかクジラかと推論が飛び交いましたが、結果ヒゲクジラの特徴が観察できるとして決着。その他、南スラウェシ州で地元ではトダンと呼ばれる食用ガエルに関して、近年稀な重さ1.5kgもある巨大カエルが捕獲されたなど、我々が考える常識を裕に越えたサイズの生物が次々と飛び出します。

 そんな珍しい動物達の住むインドネシアですが、スマトラオランウータン、スマトラゾウ、スマトラトラ、ジャワサイは絶滅危惧種とされていますし、カメの仲間やオウムなど鳥類にも個体数の減少が危ぶまれているものが多数あります。その一因として食用としての乱獲や環境破壊による生息地の減少など(例えば、インドネシアのマングローブ林の破壊進行は、残念なことに世界最速と言われています)、一国だけの問題としてではなく、一つの地球の問題として注目すべき深刻な事態が生じています。さらに近年問題として取り上げられているのが、ペットとしての人気や食用他、その高価値に目を付けた密猟者や密売者が後を絶たないという現実。密売現場摘発、船荷から絶滅危惧種の動物が発見され押収、オンラインで違法に動物を販売したとして逮捕、などといったニュースが頻繁に目に留まります。
 一度絶滅してしまうと二度と生じることのない生物種。人間の身勝手だけで地球の豊かさを失ってしまわないようになんとか守っていかなければ。人間も含めた生態系への危機感もここインドネシアにいると、無視できない状況として感じられます。


5.次第に広まる環境への意識



 先月5月14日・15日の両日、リトル東京とも呼ばれるBlokMで、ジャカルタ在住日本人が中心となり毎年の恒例行事として定着した感のある”第8回 縁日祭”が開催されました。足を運んでみると出店やステージを楽しみに来ているインドネシア人でごった返していて、日本への興味・関心の高さが伺え嬉しく思いました。

 そんな中目に留まったのが、話には聞いていた”ジャカルタお掃除クラブ”。正直なところ、インドネシアではまだまだゴミのポイ捨てが常習化していて、雨季の洪水の原因もゴミによる排水溝の詰まりといった現状があります。田舎の村で道案内をしてくれた子供たちにキャンディーをあげても、嬉しそうに早速ほおばるのは良いとして、開けた包み紙は迷わずポイ捨て。それを注意する大人もなく、その環境が日常化してしまっていては変えていくことはなかなか難しそうだと思っていた矢先。縁日祭でも、屋台で買った飲食品の包装紙がやっぱりところかまわずポイ捨てされていたりするところを、それを根気よく一つ一つ拾って回る青年たちの姿。
 5年前に日本人だけで始めた清掃活動に、徐々に賛同し参加するインドネシア人の若者たちが増えていったという。これまでジャカルタ市内で言葉を交わしたインドネシア人に「日本は町が綺麗でしょ?インドネシアは汚いでしょ?」といったことを言われることが実際に多く、正直に答えてよいものか少々戸惑いもするものの、日本ではポイ捨てはしないといった情報や、自分達の町もそのようにしたいといった思いが、都市部では次第に広まりつつはあるのかなと変化の兆しを感じます。そんな意識が広まって、より住み心地の良い街、衛生状態の良い環境が増えていくことを願います。


6.新たなるリサイクル文化

 

 ゴミのポイ捨てといった話題にも関連しますが、ゴミとなる包装容器や新聞紙などを回収し再生・再利用して様々なものを製作する動きが、ここのところいろいろなシーンで見受けられます。写真は、ジャカルタのテーマパーク、タマンミニで開催されたインドネシア各地の衣装を紹介するファッションショーでの一コマですが、伝統的な民族衣装と並んで、再利用をテーマにしたコスチュームも登場しました。色とりどりのパッケージをうまく加工・配置し伝統布と組み合わせたり、大量のCD・DVDなどのディスクを巨大なスパンコールのように取り付けたり、そのアイデアと、リサイクル素材とは思えないきらびやかさが、確実にファッションショーを盛り上げていました。各地のゴージャスな民族衣装に馴染んでいるお国柄か、奇抜なファッションも興味をもって受け入れられている雰囲気でした。

 インドネシア国内その他各地でも、環境啓発イベントとしてこのような衣装を着てのパレードや、ペットボトルやプラスチックごみを加工して作った家、古タイヤをリサイクルしたユニークな椅子なども話題を呼んでいます。雑貨店でもリサイクル素材をうまく生かしたバッグや小物・アクセサリーなどがおしゃれ雑貨として人気を集めていたり、この国らしい器用さと多様な手工芸技術が生かされた新しいジャンルといった兆し。リサイクルという環境保護にも結び付く意識改革が、この国にマッチした手法で広まってきている感じがします。


<まとめ>
 多少落ち着かない気分のジャカルタ、そしてインドネシアの今の様子いかがでしたか? 今月末に迎えることになる断食明けの"Lebaran/断食明け大祭”は盆と正月が一度に来たような時期とも形容されるように、お墓参り・帰省ラッシュなど人の大移動時期となり、ジャカルタからは人がいなくなる特別な時期。それに合わせて長期休暇となる企業も多いので、日本からの駐在者も今月末から7月頭にかけては、一時帰国やご旅行の計画をたててらっしゃる方も多いことでしょう。一時帰国予定のみなさまは、是非日本では夏にしか売られていない虫よけグッズや、サンダル、夏用衣類など、この常夏の国での必需品・不足品は忘れず多めに調達を!
 テロなど不穏な出来事が起こらないように心から祈りつつ、Lebaranの休暇は皆さま楽しく良い時間を過ごされますように。
 
 

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