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多様な宗教が共存する街ジャカルタ#1:モスクと教会  by  A.K.I

  • 7月19日(火)- 2016年

多様な宗教が共存する街ジャカルタ#1:モスクと教会
by A.K.I



 先日7月6日の断食明け大祭(Lebaran)で6月初旬から始まった断食月(Ramadhan)が明けましたが、ジャカルタではイスラム教の風習を特に身近に感じる1ヶ月だったと思います。インドネシアに少しでも携わっている方々は、日本に居てはどちらかというと接することの少ない宗教のことをもう少し知りたい気持ちになったりしませんでしたか?
 インドネシアは、イスラム教徒が88%と国民の大多数を占めますが、キリスト教(プロテスタント、カトリック)、ヒンドゥー教、仏教/儒教も国の宗教として認められていて、国民は必ず一つの宗教を信仰しています(その他アミニズムといった土着宗教もあり)。各宗教の祝祭日を国の祝祭日として定めていることからも分かるように、生活の中でも互いの風習を尊重し合い各宗教が共存しています。
 それぞれの宗教の祈りの場であるモスクや教会、寺院がジャカルタ市内にも点在していて信者でなくてもそれら施設を見学することができます。日本ではなかなか実感できない、各宗教の雰囲気の違いを一度味わってみるというのも、ジャカルタでならではの体験の一つです。オランダ統治時代に建てられ古い歴史を持ち、建造物として見ごたえのあるものも多く、それらの中からまずは、イスラム教徒が多いジャカルタで見かけることの多いモスクと、日本でも見かけることも多くまだ馴染みのあるキリスト教教会について、是非一度は足を運んでほしい一見の価値ありな5ヵ所をご紹介します。


◆1.モスク:イスラム教

1-1.イスティクラル・モスク / Masjid Istiqlal / Istiqlal Mosque 



 1984年に建てられた、12万人を収容できるという世界最大級、東南アジア最大のモスク。中に入るとその巨大な空間に圧倒されます。特別な礼拝の日には中庭まですべて祈りをささげる人で埋め尽くされるそう。信者がお祈りをする1階のフロアには観光客は入ることはできませんが、2階のバルコニーからの見学が可能です。モスクを訪れるとどこからともなく案内人がやってきて、モスク内を解説しつつ案内してくれます。最後には寄付(ガイド料?)を要求はされますが、建物内に見られるものの意味や、イスラムの風習などが聞ける貴重な機会です。

【住所】Jl. Taman Wijaya Kusuma, Ps. Baru, Sawah Besar, Jakarta Pusat




1-2.クラマット・ルアル・バタン / Makam Keramat Habib Husein Luar Batang / Luar Batang Mosque

 

 1739年イエメンのイスラム伝道師が建てた、ミナレットが遠くからも目に留まる現存するジャカルタ最古のモスクの一つです。ヨーロッパ様式にヒンドゥー教の要素も混じった20世紀以前のジャワ島のモスクの典型的な建築様式だそう。4月に不法住居の強制撤去が行われた北ジャカルタ区プンジャリンガン郡ルアル・バタン村にありますが、歴史的意義からも撤去は免れました。

【住所】Jl. Luar Batang V No.12, Penjaringan, Jakarta Utara



*モスクを訪れる際には、肌の露出の多い服装は避ける(長袖、長ズボン/ロングスカートなどを着用)、女性は髪を覆うスカーフの持参などイスラムの風習を尊重しましょう。


◆2.教会:キリスト教

2-1.カテドラル教会 / Gereja Katedral / The Cathedral



 カテドラル教会は、イスティクラル・モスクと向い合せに位置し、宗教の共存の象徴として両者共によく取り上げられますが、1901年に建てられたネオゴッシック様式の巨大なカトリック聖堂です。建築としては目を引く2本の尖塔や壁面の彫刻など西洋を思わせますが、椅子の座面は籐で編まれていて南国を感じます。屋外に配されたルルドの泉を模した泉の洞には素敵なマリア像も。

【住所】Jl. Katedral No.7B, Jakarta Pusat




2-2.シオン教会/Gereja Sion / Sion Church



 1695年に建てられたという、ジャカルタ最古のバロック風建築の木造カトリック教会。説教壇、椅子、銅製のシャンデリア、パイプオルガンなど当時のものが現在もそのまま使われているとのことで、大変趣があります。

【住所】Jl. Pangeran Jayakarta, RT.9/RW.4, Pinangsia, Tamansari, Jakarta Barat




2-3.イマニュエル教会 / Gereja Immanuel / Immanuel Church
  


 1839年にオランダ人建築家によって建てられたというジャカルタ最大のプロテスタント教会。ギリシャ神殿を思わせるドーリア様式の柱や、ローマ円形闘技場を思わせる内装など建築様式が非常にユニークな教会としても知られています。

【住所】Jl. Merdeka Tim. No.10, RT.2/RW.1, Gambir, Jakarta Pusat




【まとめ】
 美しい建築を見るだけでも訪れる価値ありのモスクと教会、いかがでしたか。インドネシアのいろいろな施設ではたいてい写真を撮って良いかと尋ねると快諾してくれますが、これら宗教施設を訪れる際にはやはり、祈りの場であるということは念頭に、お祈りをしている人の妨げにならないようにという気配りは忘れずに、それぞれの雰囲気を味わいに是非一度足を運んでみてください。

なお、逆に日本国内でも見学可能なモスクがあるのはご存知ですか?
関東なら、トルコ人が建てた日本最大のモスク”東京ジャーミー”
http://www.tokyocamii.org/ja/
関西なら、インド人が建てた日本最古のモスク”神戸モスク”
http://www.kobemosque.info/
など、インドネシアのモスクとは見た目の雰囲気は少々異なりますが、見学が可能でイスラム教についてのお話を聞くこともできます。ISの残虐な行為でイスラム教が誤解されていると嘆き憤っているムスリムが多い中、報道のイメージだけでなく実際にその宗教を知ってみるということも大事なことだと思います。

次回は引き続き、ジャカルタにある中国寺院と、ヒンドゥー寺院についてもご紹介します。
 
 

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