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本音トーク!ジャカルタストレス #1  by  A.K.I

2017/11/09 10:00

本音トーク!ジャカルタストレス #1
by A.K.I



 馴染みのない未知なる状況に遭遇し、その状況を避けては通れないとなったら?良い側面に目を向ける、長所を探すというのが最善の策でしょう。そんな想いから、”ここが素敵!ジャカルタ生活”という記事を以前書いたのですが、正直なところ、やはり日本とは異なる異国での生活、ストレスと感じることが実際にはたくさんあります。
 あまりネガティブなことは書くべきではないのかもしれませんが、これからジャカルタ生活を始める心の準備として実情を知りたい、または、自分と同じ思いを皆しているのだと聞くとほっとする、と言った声を汲んで、今回はジャカルタ生活におけるストレス要因をピックアップし、少しでも解消法が無いものかと考えてみたいと思います。
 一言にジャカルタ暮らしと言っても、人それぞれの状況・事情が異なるので、また人によって感じ方も全く異なるので、あくまでも私と私が接する範囲の人々の意見に基づく偏りもあることはご了承いただきたく、そういったことを感じている人もいるのだという一つの参考としてお読みください。


1.自由に出歩けない



 近隣のアジア諸国の都市、たとえばシンガポールやタイの首都バンコクなどは同じ南国ですが、生活環境としてまず現状大きく異なると感じるのは、”自由に出歩ける”ということ。街中を通る地下鉄や電車も発達しているし、人が歩くことを前提とした歩道の整備が行き届いている。それに引き換えジャカルタは。頑張ればもちろん、歩けないわけではありません。少しずつ歩道も増えつつあるのは事実ですし、灼熱の太陽の中、排気ガス対策にマスクを着用し、突然穴が開いていたりする足元に重々注意し(ハイヒールは到底無理です)、信号機もない道路を用心しながら横切る覚悟さえできれば。実際のところこれは、かなり慣れないとそこそこ困難です。そしてそもそも、日本のように路面店形式の店舗が道沿いに並んでいてハシゴ的にショッピングを楽しむといった場所は少なく、カフェなどもあまりにも点在していて、そこに行くためだけにはるばる徒歩で出かけるのかと考えると、出かけたい気分も消沈します(エネルギッシュで、暑さもいとわない方なら平気かもしれません)。
 日本の大都市のように、気が向いた時にちょっと歩いてそこのスーパーまで。時間通りにやってくる電車にひょいと乗って、思い立った時にショッピング。または、気分転換にふらりと飲み屋さんまで。それができるという環境がどれほどありがたく感じられることか。
 多少なりとも町を歩きたいと考える方は、可能であれば、区画整備されたエリアなど、周辺が歩ける環境であるエリアに住居を探す。カー・フリー・デー(日曜日の歩行者天国)を利用し日頃の歩けなさを解消する。そんなことでごまかしきれない部分は、一時帰国などの際に、日本で存分に歩いて日頃の鬱憤を解消し、その後はまた次の機会に想いを馳せ我慢する。といったところでしょうか。


2.どこに行くにも車生活



 歩けないとなると、一般的な移動手段としては車です。現地の人々の最もお手軽な足はバイク(orバイクタクシー)ですが、さすがにこれは危険度も高くお勧めではありません。バスも、トランス・ジャカルタは整備されてきていますが、種類や場所によってはまだやや治安や車両整備上の不安が残ります。電車は、日本から下取りされた車両が使用されているので、乗ってしまえば実は、馴染みの車内空間にほっとする部分もありなかなか快適なのですが、駅周辺は屋台などが集まりかなりごった返していて用心が必要なのと、駅に行くまでの道がまた一苦労な上、当然行先は路線周辺のみに限られてしまいます(建設中のMRTなどが開通(2019年予定)すれば状況も少し変わるでしょうか?)。なお、トランス・ジャカルタや電車などの公共の乗り物は、会社によっては危機管理上、使用禁止とされているところもあるそうです。
 そんなこんなで、やっぱり頼るは車です。車の手配事情については、企業からの駐在員のケースでは、駐在員本人の車は会社手配というところが多いようですが、特に、帯同の家族用の車については会社ごとに対応が様々です。治安がもっと不安定だった数十年前は、家族用の車の支給もそこそこスタンダードだったようですが、現在は車の手配はあるけれども何家族かで一台をシェア、車の支給はなく基本的にはタクシー利用、もしくは、必要に応じ個人の費用負担で車を手配するなどというケースも増えているようです。
 このように、日常の足となる車の確保がまず重要であったりもしますが、どこに行くにも車。日本では徒歩と電車が日常だった私にはかなり苦痛です。日常の歩行量が格段に減り、運動不足にも要注意です。
 
 
3.解消する兆しの見えない大渋滞



 車に頼るしかないこのジャカルタで、最もうんざりしてしまうのは相変わらずの大渋滞。車の利用を減らし渋滞を緩和すべく、公共交通機関の整備が急がれていますが、現状は、その建設のための工機などが道路を塞いで、渋滞をひどくしていることを否めません。
 気分的にもぐったりするのが、距離的に見て30分で行けるはずのところに2時間もかかったりするケース。そんなこともざらにあるので、待ち合わせ時間にはかなりの余裕をもって出発する必要があります。日本でなら、1日に数件片付けられる用事も、数日に分けなければ行けないような有様で、大変非効率的です。
 日中明るい時間であれば、乗り物酔いしないなら本を読むなど時間活用も可能ですが、日が暮れてしまうと液晶モニターを見るのも目が疲れてしまうし、車中で無駄に過ぎていく時間をどうにか有効活用しようとすると、語学の音声を聞いて過ごすくらいでしょうか。時間の有効利用などということを日常的に考えながら日本での生活を送っていた人ほど、本当に無駄に時間ばかりが過ぎていくこの状況にイライラしてしまうことでしょう。
 帯同ご家族の生活やお子さんの学校のことを考え、住まいはジャカルタで、稼ぎ頭は毎朝はるばる郊外の工業地帯へ出勤というケースもありがちですが、例えば、ジャカルタからカラワンの工業地帯への朝の出勤において、なんと片道5時間(渋滞が無ければ1時間半程度の距離)などということも実際にあり、通勤の疲労だけでも相当なものでしょう。日本で首都圏の平均通勤時間は1時間40分というデータがあり、それも大概だと思っていましたが、その約3倍です。車で睡眠を取ろうにもただでさえ充分に体が休まるとは考えづらいシートで、メイン道路でさえ舗装が悪くガタガタの揺れ。渋滞によって早朝に家を出て夜遅くに帰宅となってしまう現状では、慢性的な睡眠不足も免れません。
 通勤の負担軽減に、少しでも工業地帯に近いチカランエリアに住む人も増えていますが、生活上はやはりジャカルタと比べ不便さはあるようです。
 

4.車と運転手#1



 車が支給される場合、自分で運転するわけではなく運転手も雇うことになります。一般的には、人を雇って使うということにまずからして慣れていない日本人なので、そして日本の常識とは異なる文化を持つ人々が相手なので、運転手との間にはいろいろなトラブルが発生しがちです。
 まずは言葉の壁。中には英語が話せるという運転手もいて、そういった場合は比較的コミュニケーションがとりやすいかと思いますが、履歴書には英語可能との記載があったのに、実際には単語を1つ2つ知っているだけという驚きの事実が、いざ同行しだしてから発覚したりします。その他、時間に来ない(ドライバーに限らず、この国の時間感覚は日本人からするとかなりルーズです)、無断欠勤、ドライバーなのに道をあまり知らない、地図が読めない、運転が乱暴、外出時に電話をしてもつながらない、タイムシートを改竄する、お金を貸してくれと言ってくる、セクハラ的言動etc...。もちろん、そんなひどい運転手ばかりではありませんが、場合によっては、1年間で6回もドライバーを替えたという人もいたりします。
 実情、日本人が当たり前と考え要求する水準をパーフェクトに満たす運転手は、そうそういないと思った方が良いと思われ、妥協点を見出す必要は少なからずあると思います。上記のようなあからさまに支障をきたす事項以外でも、もし快くないと感じることが生じれば、直接伝えることが難しければ、会社の該当部署を通して伝えてもらうなどして、こちらの要望をまずわかってもらい、文化・風習の異なる相手を頭ごなしに否定から入るのはちょっと我慢して、相手の言い分もまずは聞く必要がある場合もあるでしょう。責任逃れな言い訳文化も存在するので、うんざりすることもありますが、こちらが伝えたつもりになっていたけれども、実はちゃんと伝わっていなかったなど、こちらの説明不足というケースも少なからず。メンツの問題、もしくは聞き返すことを失礼と考える風潮があったりするようで、わからなくても「わからない」と言えないといった民族性も考慮しつつ。
 
 
5.車と運転手#2



 帯同家族の車について、会社からの手配がなく、いざタクシーに乗るのも億劫で、行きたいところに行けないという悩みも深刻です。その場合はまずはモール併設のアパートや、日本食材スーパーに歩いて行けるエリアに住むなどが第一となりますが、行動範囲がそのエリアだけに限られ、それ以外は家に引きこもりがちになってしまうという話も多く聞かれ、それもまた一つの悩ましい現状です。
 そういう方から言わせると、車を支給されているだけでも高待遇だと思われるのも当然でしょう。なので、贅沢な悩みということになるのかもしれませんが、でも、日本でなら悩む必要が発生しようもない状況であることと比較してしまうと、これはこれで大きなストレスとも隣り合わせだったりします。
 「どこに行くにも運転手付きなんてうらやましい!」と、日本の友人にも言われたりしますが、正直なところ反論したい気分になります。自分で好きな時に好きなように自分の足で行きたいところに行きたいし、立ち寄りたいところに立ち寄りたい。家族でもない外国人のドライバーと常に一緒に行動するというのも閉塞感と共にとても気疲れします。個人的には、ちょっとカフェに入っても、“待たれている”という感覚がどこか落ち着かなかったりもするし、通りすがりにちょっと気になる所があっても、なんだか伝えるのが面倒に感じて、立ち寄ることをあきらめてしまったりします(右折左折が簡単にできないジャカルタの道路事情も一因ではあります)。
 また、契約としては例えば、「週5日、8時から17時まで」といった形になりますが、実際のところそんなに毎日毎日行くところがあるわけでもありません。これも人によりけりで、お金を払っているのだから気にしないという方もいらっしゃるようですが、多くの人は、来てもらったからには使わなければ失礼な気がしてしまって、どこにも出かけたくなくても、とにかく毎日一生懸命に行き先を考えなければならない、それがストレスだと口を揃えておっしゃいます。とりあえずどこかカフェに行って、数時間そこで本を読むだけで帰る。という人も案外多く、本当なら本なんて家で読めばいいんだけど、と複雑な心境が見え隠れします(カフェの紹介記事を多めに書いているのも、実はそんな事情も裏にあります)。
 運転手にとっては、勤務時間中の待ち時間も仕事であって、その時間も給料に含まれているのだと割り切れると、気持ち的にはかなり楽になりそうですが、それが難しければ、強迫観念的に日々行き先に悩むのをやめて、毎週時間割的に固定の行き先をローテーションすると少し気が楽かもしれません。
 


<まとめ>
 書き始めるとどうにもいけません。あれやこれやと思い当たるところが続出してしまい、これだけでは収まりきらず、今回は移動・車関係の内容にとどめ、続きはまた後日
  一つ一つを取り上げると、それほど大ごとに感じられないかもしれませんが、それが毎日の積み重ね、または複合的に発生している状況に実際立たされると、感じ方の差異はあれど、やはりこの状況をストレスと感じる人が大多数ではないでしょうか。
 2002年、2005年とバリのテロがあった時代に駐在したことのある方々に言わせれば、今のジャカルタは危険度も減って行動できる範囲が大幅に広がったし、日本食レストランもたくさんできて暮らしやすくなった、とおっしゃるのですが、正直なところ、その時代と比較されても、との思いが拭えません。これからどんどんジャカルタにやってくる人々は、日本という自由に出歩ける、整備されて安全な国からやってきます(他国からスライドしてこられるケースを除く)。直前まで当たり前として暮らしていた日本とのギャップが問題となりストレスと感じられるのであって、以前よりは良くなったのだと言われても、気休めにもならないと思ってしまうのは私だけでしょうか。
 心理学者でも精神科医でもないので、これらストレスへの的確な対処方法はよくわかりませんが、こういった状況に置かれて、我慢強さもしくはあきらめの良さを習得できるということを、一つ良しとしましょう。

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